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金属検出機の感度設定とは?現場で失敗しない調整の考え方

金属検出機(金属探知機)を使用している現場で、最も多く聞かれる悩みのひとつが「感度設定」です。「感度を上げれば検出できるのではないか」と考えがちですが、実際にはそれだけでは解決しないケースがほとんどです。


本記事では、感度設定の基本的な考え方と、現場で安定した検出を実現するためのポイントを整理します。



感度設定とは何か

金属検出機(金属検出器)における感度設定とは、金属異物に対してどの程度の反応を示すかを調整することを指します。一般的には、数値を上げることで小さな異物にも反応しやすくなります。しかし、この「上げる・下げる」という単純な操作だけでは、実際の現場ではうまくいかないことが多くあります。



なぜ感度を上げても解決しないのか

現場では、金属異物だけでなく、さまざまな要因が検出信号に影響を与えています。


例えば、

  • インバータなどの外乱ノイズ

  • 搬送設備(ローラーや振動)の影響

  • ワーク自体の状態変化

  • 配線や設置環境による微細な揺らぎ


これらが重なることで、「異物ではないもの」にも反応してしまう、いわゆる誤作動が発生します。

この状態で感度を上げると、異物だけでなくノイズにも強く反応してしまい、結果として安定した運用が難しくなります。



本質は「感度」ではなく「バランス」

重要なのは、単に感度を上げることではなく、

・異物の信号

・ノイズの影響

・全体のバランス


をどう整えるかです。

現場で安定している状態とは、「必要な異物には確実に反応し、不要なノイズには反応しない」状態です。

これは単純な数値調整ではなく、環境全体を踏まえたバランス調整になります。



ノイズとの関係を切り離せない理由

金属検出機の感度設定は、ノイズ対策と切り離して考えることができません。

ノイズが多い状態では、どれだけ精密に感度を設定しても、検出は不安定になります。

逆に、ノイズが整理されている環境では、過度に感度を上げなくても、安定した検出が可能になります。

そのため、感度設定を行う際には、「今どの程度ノイズが出ているのか」を把握することが重要になります。



HARICOMの考え方:波形で状態を見る

一般的な金属検出機では、「検出したかどうか」という結果のみが表示されます。

しかし実際の現場では、その結果に至る過程――つまり「どのような信号が出ているのか」を把握することが重要です。

HARICOMでは、検出時の波形を可視化することで、

  • 異物による反応

  • ノイズによる揺らぎ

  • 検出バランスの状態

を一目で確認できるようにしています。

これにより、単なる数値調整ではなく、状態を見ながら感度設定を行うことが可能になります。

またハリコムのノイズ対策機が良い方向に作用することもあります。



まとめ

金属検出機の感度設定は、単純な数値調整ではありません。


  • 感度を上げるだけでは解決しない

  • ノイズとの関係を理解する必要がある

  • 本質は「全体のバランス調整」である


この考え方を持つことで、誤作動の低減と安定運用につながります。

検出の精度を高めるためには、「結果」だけでなく「状態」を把握することが重要です。




繊維・布製品の品質管理において、「検反機」は広く知られた存在ですが、

実際の製造現場では 検反機単体で完結することはほとんどありません。


布は

検反 → 巻取 →(場合によっては)カレンダー処理

といった複数の工程を経て、最終製品へと進んでいきます。


本コラムでは、


検反機

巻取機

カレンダー工程


それぞれの役割を整理しながら、

工程全体で求められる異物検査の考え方について異物検査とのかかわりを整理してみます。



検反機とは何か(布を「見る」工程)


検反機は、布を一定速度で流しながら、


キズ


汚れ


織りムラ


色ムラ


などを 目視または画像で確認する工程機械です。


アパレル・産業資材・フィルム・不織布など、

幅広い分野で使われており、

「品質確認の最初の関門」と言える工程です。


この工程では、

布の表面状態に注目する一方で、

内部に混入した金属片・ワイヤー片・針・刃物片などの

異物までは見逃されるケースも少なくありません。



巻取機とは何か(布を「整える」工程)


検反後の布は、

そのまま次工程へ送られるのではなく、

巻取機によってロール状に整えられます。


巻取工程では、


張力制御

巻きズレ防止

ロール形状の安定化


が重要視されます。


実際の現場では、

検反機+巻取機が一体化、

あるいは 別装置として連動して使われることも多く、


この段階で異物が混入すると、


ロール全体が不良

後工程での設備損傷

につながるリスクがあります。



カレンダー工程とは何か(布を「仕上げる」工程)


用途によっては、

巻取後に カレンダー工程(ロールで圧延する工程)を通すケースもあります。


カレンダー工程では、


厚みの均一化

表面の平滑化

物性の安定


を目的として、

複数の大型ロールで布を圧延します。


この工程の特徴は、

異物があると即、設備トラブルにつながる

という点です。


金属異物が混入した状態でカレンダーに入ると、


ロール損傷

高額な修理

長時間のライン停止


といった重大トラブルに発展することもあります。


なぜ工程全体で異物検査を考える必要があるのか


検反機・巻取機・カレンダー工程は、

それぞれ役割が異なる工程ですが、


現場視点では

一本の布が連続して流れている一つのライン

です。


そのため、


検反機では「見える欠点」

巻取・後工程では「見えない異物」

を補完的に管理する必要があります。


ここで重要になるのが、

工程を止めずに使える異物検査機です。



HARICOMの異物検査機が使われる理由


HARICOM(ハリコム)では、

検反機・巻取機・カレンダー工程と併設可能なバータイプ金属異物検査機(PFC型)を提供しています。


特徴は、


布幅方向に設置しやすいバー構造

既存設備への後付けが可能

誤作動を抑えた安定検知(特許取得)

目視検反を邪魔しない設計


といった点です。


実際に、


検反機メーカーの装置

巻取機メーカーの設備

カレンダー設備を含むライン


と組み合わせて使用されるケースも多く、

工程全体の異物リスク低減を目的とした導入が進んでいます。


水平設置・垂直設置・斜め設置と様々な角度に対応し、

誤作動対策機も充実しています。


PFCC-CH型(誤作動対策機)
PFCC-CH型(誤作動対策機)




コントロールBOX(制御盤)の事例
コントロールBOX(制御盤)の事例


ハリコム製品が併用されることの多い機械・メーカー例


以下は、

検反・巻取・関連工程で多く使われているメーカーの一例です

(※競合ではなく、現場で併用されるケースが多い設備群です)。


検反機・検反関連メーカー


花山工業株式会社

株式会社エヌシーエー

株式会社川上製作所

浅野鐵工株式会社

巻取・ロール関連メーカー

由利ロール機械株式会社

各種巻取機・延反機メーカー


これらの機器をお使いのユーザー様からも、

「異物対策をどう補完するか」というご相談を多くいただいています。



検反だけでなく、工程全体で品質を見る



布の品質管理は、

検反機だけで完結しません。


見る工程(検反)

整える工程(巻取)

仕上げる工程(カレンダー)


それぞれの工程特性を理解したうえで、

異物リスクを工程全体でどう管理するかが重要です。


HARICOM(ハリコム)では、

既存の検反機・巻取機・カレンダー工程を活かしながら、

異物検査を“追加できる”形でご提案しています。


HARICOMの金属検出技術における渦電流と波形解析の関係性について


渦電流方式と当社技術の位置付け

金属検出装置に関して「渦電流方式でないのでは?」というご質問をいただくことがあります。


結論から申し上げますと、HARICOMが採用している方式は、電磁誘導方式、いわゆる交流磁界方式に分類されるものであり、その過程で確かに渦電流は発生しており、検出に寄与する物理現象のひとつです。


ただし、当社の技術的なアプローチは、従来の方式定義を踏襲しつつも、その検出信号の取得・処理方法において、独自の高度な波形解析技術を導入している点に特徴があります。


電磁誘導方式における渦電流の役割

電磁誘導方式の金属検出は、以下の原理に基づいています:


  1. 送信コイルに高周波交流電流を流すことにより、磁界が形成される

  2. 検査対象がこの磁界を通過する

  3. 対象物に金属異物が含まれている場合、磁界に乱れが生じる

  4. この乱れが受信コイルで波形として検出され、信号として認識される


このとき、

  • 磁性金属は直接磁界を乱す性質を持ち、

  • 非磁性金属(アルミニウムやステンレスなど)は、誘導起電力により金属内部に渦電流が発生し、その二次的効果として磁界を変調することで、間接的に波形の乱れを生じさせます。


したがって、渦電流は金属検出の過程において重要な要素であり、当社の装置でもその現象が検出結果に寄与していることに疑いはありません。


HARICOMの独自性:波形の乱れに着目した検出技術

HARICOMの金属検出機が特に重視しているのは、渦電流が生じたかどうかではなく、その結果として観測される波形の乱れが、どのような特徴を持つかに着目し、これをもとに異物の有無を的確に判断することです。

そのために、以下のような技術的アプローチを採用しています:


  • 多チャンネル分割検出技術:検出領域を複数に分割することで、異物の位置特定精度を向上。

  • リアルタイムデジタル波形処理:乱れの微細な傾向を捉え、定量的に評価するための信号処理エンジンを内蔵。

  • 高いノイズ除去能力:工場環境における振動ノイズや電磁干渉を最小化するシールド構造と回路設計。


これらの総合技術により、HARICOMは単に渦電流の存在を検出するのではなく、それに伴う波形の挙動を情報として読み取り、より高精度な異物検出を実現しています。


なぜ従来の「渦電流方式」では伝えきれないのか

「渦電流方式」という用語は、その発生現象を示すものであり、検出のアルゴリズムや信号処理の深度までは含みません。HARICOMの検出機は、その波形変動に着目し、検出対象の通過によって生じる信号変化を捉え、それをもとに設定されたしきい値との比較により検出の判断を行うことを目的としています。

これは、従来の「渦電流方式」という単語が持つ定義の範囲を超えた、より高度な情報処理を介した金属検出方式と位置づけることができます。



HARICOMは「渦電流を含むが、波形を視る」技術である

HARICOMの金属検出機は、渦電流を原理とした電磁誘導方式に準拠した装置ですから、方式としては世界標準の電磁誘導方式(渦電流方式)です。しかし、その技術をベースに、独自の波形解析技術を融合した次世代の金属探知機であるとお答えいたします。私たちは渦電流そのものを単純に検出するのではなく、それによって生じた波形の乱れを検出対象とし、適切なしきい値設定のもとで異物混入の有無を判別することに注力しています。このようなアプローチにより、磁性・非磁性を問わず、また製品形状や通過位置に左右されにくい安定した検出を実現しています。


今後、ITやAI技術の進展により、波形情報をより高度に活用した異物検出が進んでいくことが期待されています。HARICOMでは、その時代に先んじるかたちで、波形解析に着目した製品開発を継続しており、これからの進化に向けた基盤づくりを着実に進めています。HARICOMは今後、波形ベースの金属検出における新たな可能性を拓く存在として、品質管理の未来に貢献してまいります。



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